入門者からプロまで使えるマンガ、イラスト向けPC

ハードウェア(パソコン本体や、ペンタブレット、モニタなど)の進化とマンガ制作専用ソフト

パソコン本体

①パソコン本体 ■

 

メモリ容量

まず、メモリが重要な要素です。イラストやマンガを描く場合、描きこみの量にもよりますが、多くのメモリを使います。 メモリの量が少ないと容量確保のためにHDDなどのストレージにスワッピング(データの退避)が発生し、パフォーマンスが下がってしまうことになります。 「CLIP STUDIO PAINT」は64ビット版のOSに標準で対応し、4GBを越える大容量のメモリを使用することができます。OSは64ビット版であることはもちろん、 メモリも8GB以上あると良いです。

 

CPU性能

 

CPU性能も重要です。

「CLIP STUDIO PAINT」は画面の描画処理にマルチコアの性能を生かすようなプログラムとなっているため、 2コア以上のマルチコアCPUが必要になります。CPUの性能が高いと画面のスクロールやペンの動きになめらかに追従させることができます。 また、フィルター処理などに動作クロックが有効であると考えられるためできる限り高いクロックのものが効率的な処理を実行できることになります。 2コア以上で動作クロックの高いところで、Core i3やCore i5が最適なCPUになると予想されます。

 もっとも、「CLIP STUDIO PAINT」がどこまで強力な処理能力をもつCoreシリーズのパワーを使い切るかは検証結果次第と言ったところで、 実はPentiumやCeleronなどの下位のグレードのCPUでも十分なパフォーマンスを発揮できる可能性もあります。ここを下げることで大幅なコストダウンを期待することができます。 一方で、Core i7などの最上位クラスはコストに見合うほど性能向上が無いと考えられます。 ただ、イラストを描く人の多くはゲームをしながら、音楽を聴きながら、資料を開きながら、動画をみながら等、イラストを描くことに加え別のことをする「~ながら作業」であることが一般的であると思いますし、 実際に北上さんからも「~ながら作業」に対応できるパソコンが良いというオーダーがありました。 クリエイティブな作業をする上ではリラックスする為のスペックマージンも大事ですよね。 これらの視点を元にCPUのコストパフォーマンスを見極めたいと思います。

 

■ストレージ

 メモリの時と同様、描き込みや、作品の量にもよりますが、レイヤーと呼ばれる絵の階層が増えるとデータの容量が増え複雑化するため、読込や書込により時間がかかるようになります。 プロの現場ではページ単位で数多くのデータを扱うことが予想されるため、データの読込や書込の速度は重要なポイントとなるのではないのでしょうか。 SSDや7200rpmの高速な3.5インチHDDの搭載が必要になってきます。

 

■グラフィック

 

 基本的にはCPUに搭載されている内蔵グラフィックの機能で十分であると考えられます。現行のCPU内蔵グラフィックであっても3Dオブジェクトの表示機能を搭載しており、 「CLIP STUDIO PAINT」の機能の一つである3Dレイヤーなどにも十分対応が可能です。OpenGLで描画されるため、ゲーム用途に使われるクラスの強力なグラフィックカードでなくても十分なパフォーマンスを発揮させることができると予想されます。 しかし、モデルデータが増えたときの負荷はどれほどのものになるのを調べる必要があります。また、プロのマンガ家がどれほどこの機能を使うかも気になります。 もっとも、グラフィックカードは上記のパーツに比べれば増設の難度も低いので足りなければ追加、といった考え方でも十分だと思われます。

 

■PCの形状 制作環境は室内という事で移動は考えなくても大丈夫で、静寂性も特に求めないしスペース的にも余裕はあるという事です。 つ・ま・り、普通のデスクトップPCで大丈夫です